奈良地方裁判所 平成7年(わ)241号 判決
主文
被告人株式会社三協エンジニアを罰金二五〇〇万円に、被告人山田友男を懲役一年六か月に処する。
被告人山田友男に対し、この裁判確定の日から三年間刑の執行を猶予する。
事実
被告人株式会社三協エンジニアは、奈良県大和郡山市額田部北町九二三番地に本店を置き、地質土質調査各種試験及び測量設計等を目的とする資本金二〇〇〇万円の株式会社であり、被告人山田友男は、平成七年一月二一日に辞任するまで被告人会社の代表取締役として業務全般を統括していた者であるが、被告人山田は、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと考え、売上の一部を除外して簿外預金を蓄積したり、架空外注費を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、
第一 平成二年一〇月一日から平成三年九月三〇日までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が八九七八万六七〇九円あったにもかかわらず、同年一一月一四日、奈良市登大路町八一番地の所轄奈良税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が七八一万一〇八二円でこれに対する法人税額が一八四万一二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって、不正の行為により被告人会社の右事業年度における正規の法人税額三二五六万三九〇〇円と右申告税額との差額三〇七二万二七〇〇円を免れ、
第二 平成三年一〇月一日から平成四年九月三〇日までの事業年度における実際の所得金額が七九二五万三九五〇円あったにもかかわらず、同年一一月三〇日、前記奈良税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が七五五万三三八四円でこれに対する法人税額が一五七万一一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって、不正の行為により被告人会社の右事業年度における正規の法人税額二八四一万六二〇〇円と右申告税額との差額二六八四万五一〇〇円を免れ、
第三 平成四年一〇月一日から平成五年九月三〇日までの事業年度における実際の所得金額が一億〇二二三万九八八八円あったにもかかわらず、同年一一月二二日、前記奈良税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一五一二万四八七九円でこれに対する法人税額が四五三万九三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって、不正の行為により被告人会社の右事業年度における正規の法人税額三七二〇円七四〇〇円と右申告税額との差額三二六六万八一〇〇円を免れた。
法令の適用
罰条 各事業年度ごとに法人税法一五九条一項(被告人会社については、さらに同法一六四条一項)
刑種の選択等 被告人会社につき、情状により法人税法一五九条二項
被告人山田につき、懲役刑を選択
併合罪の処理 平成七年法律第九一号による改正前の刑法四五条前段、被告人会社については同法四八条二項、
被告人山田については同法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い第三の罪の刑に加重)
刑の執行猶予 前記改正前の刑法二五条一項
(裁判官 大西良孝)